二宮知子先生の「のだめカンタービレ」10巻が発売された。
 ブラボー!と思わず叫びたくなってしまう。

 私は11時出勤。地元の駅に着くのはだいたい10時ちょい。いつもギリギリに出社するんだけど、今日は駅ビル内の本屋に駆け込み、目をギラギラさせながらお目当ての本を探す。
「のだめ!のだめ!くそー!あんたはどこに隠れているんだ!!」
 中々見つける事のできない私をあざ笑うように、モジャモジャ組曲に合わせて踊るのだめの姿が目に浮かぶ。
 あと5分で本を買って、Bダッシュで電車に飛び乗らないと月曜日から遅刻だ。

 いつも裸眼であまり周りが見えないのだが、オタクパワーでその時の私の視力は2.0近くなっただろうか。目ざとく、まだぎっちりとビニール袋に包まれて床に無造作に積んであるのだめを見つけた。
「すみません!これください!袋から出して!早く!早く」
 店員のお姉さんも焦って梱包を解いてくれる。
「こ、こちらですね」
「ふおおおお!そうです!こちらです!これで良いのです!」
 店員のお姉さんが、わざわざ一番上の本ではなく、その3冊くらい下の物を選んでくれた時、なんだかとっても幸せな気持ちになった。きっと今日は良い日ぢゃ。
 別に今袋から出した物だからバッチくはないんだけど、やっぱり一番上より2番目か3番目がいいんだよね。オタク的に。(笑)

 無事本を購入してホクホク気分で電車に飛び乗った。(間にあった)。
 そして電車の中でニヤニヤしながら本を舐めるように読んでいると、私のちょっと前に立っているOL風のお姉さんも何やら読んでニタニタ笑っている。
 その手にあるのは…。やはり。
 のだめカンタービレの最新刊。
 このお姉さんも10時ぴったりに本屋でゲットしたのかしら? などと思うと何だか親近感が沸いてくる。久石譲のコンサートでのだめを読んでる人を見た時と同じ親近感だ。
 また今度、この人が私と同じ本を読んでいたらお茶にでも誘ってみようかなと…ちょっと本気で思った朝の通勤風景でございました。

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