「私の乳には呪いがかかっているんだよ。好きでもないのに触ると向こう3年は彼女できないんだって。アンタこの年で今から3年はキツイよ。覚悟ある?ないでしょ、困るでしょ? 触らない方がいいよ」
 以前知り合いと飲んだ時、相手がご乱心して私の乳に触ろうとしたので、そう言って食い止めた事がある。(なんつー色気のない言い訳なんだって話もありますが…)
 
 たま〜に自分でも対処できないようなイレギュラーな事態が起きると、口が勝手に動きません?

 昔、大晦日から黒夢のオールナイトライブに行き、酒をかっくらった私たちは大変ご機嫌でありました。
 そこで酔って気が大きくなった私達は、今日来れなかった悪友に『あけましておめでと〜!』と言うため、朝も異常に早い事も忘れて電話をかけた事にしたのだった。
 プルルルルルッル……………………。
 と鳴り続ける音は非常に長い。
 私のまわりにいる友達も首を傾げている。
 普通ならここでヤメておくんですが、酔ってるし意地になって電話を鳴らし続ける。
 ほどなくプツッ、と電話の切り替わる音がして、今度はちょっと遠い音でプルルルルルルル………とまたコール音が鳴り続けていたが、ほどなくして友人が出た。

「あ。ケロロ?」
「あらあら。ふかみちゃんじゃない」
 出たのは彼女の母親だった。私はちょっと予想していなかったので、動揺する。
 そっか。途中でプツっと言ったのは、家電に転送されたからだ。
 自分のマヌケさに舌打ちしたくなる。
「おばさま。あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致しますね」
「ああ、あけましておめでとう」
 いつも闊達なケロロの母親の声が、今日はなんだか怪訝な物言いに変わっている。
 ん?なんでだ??
「どうしたの?ふかみちゃん。うちのケロロと初詣に行ってんでしょ?」
 ケロロと初詣!? げ………。ヤバイ………。行ってない!!!!
 つーか知らない!!
 酔いもふっ飛び、どっと汗が吹き出す。

 どうやらケロロは、彼氏とコッソリお泊まりをし、初詣へ行くために私の名前を使っていたらしい。
 ギャアアアアア!!!!!!! 頼むから先に言ってくれ〜!!
 めちゃくちゃ動揺して本体の私は大パニック。
 するとスルスルと勝手に口が動きだした。
「あ。そうなんですよ。ケロロとお寺ではぐれちゃって…。携帯に電話しても出ないからお家にお電話あったかと思ったんですけど…」
「ああ、そうなの。ケロロからは電話ないわよ」
 ケロロ・ママの声が明らかにほっとする。
「そうですか…。わかりました。もうちょっと探してみますね」
 そう言ってピっと携帯を切った。
 び……びびったああああああ!!! ありがとう自分!
 その後ケロロと無事連絡が取れ、ケロロは待ち構えていた母親に、
「もー大変だったよ。凄い人でふかみとはぐれた」
とぶすくれたらしい。
「あー。ふかみちゃんが心配そうに電話してきたわよ」
 なーんて、何事もなかったかのように会話は続き、無事乗り切ったようだった。

 最近は口が勝手に動くって事がなくなってしまったけど、あの感覚は、誰かが自分に乗り移っているような…『寄生獣』で顎のジョーに乗り移られたような感覚なのかな。

あ〜…完全に仕事から逃避しようとしてるよ……。ラフが切れないし……ネタも浮かばないんだもん……。
さてちょっとだけマンガでも読もうかな………。。

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