彼氏に毒を盛る女

2004年10月27日 恋愛
 おいおい、物騒なタイトルだなぁ…。
 と思われるかと思いますが、御安心ください。
 事実なので。(ニッコリ)。

 彼氏と言うのはレコーディングエンジニアさんをしているタナベ君のこと。
 タナベ君と私は、食べ物を巡ってそれはそれは凄まじい戦いを繰り広げているのでございます。
 きっと前世はお互い貧乏な農民で、飢え死にした過去でもあるのかと言うほど、食べ物に対して見事な執着っぷり!!
 やっぱり彼氏とは食べ物の趣味が合った方がいいなぁと
思ったんだけど、この人と付き合ったら、『好きな食べ物を盗られる!』って感じでカナリ緊迫した食卓は戦場と化しています。
「ちょっと!そっちの方が量が多いんじゃないの?」
「食べ過ぎじゃない?」
 みたいなセコイ会話を本気でしている私達。
 でも互いの皿の中身と、箸の行く先を獲物を狙うネコのような目でジッと追い続けているのでございます。

私:「ちょっと〜!!あたしの辻利の抹茶アイスは!?」
タナベ氏:「あー。溶けてたから捨てといた」
 その言葉に絶叫して、胸ぐらにつかみかかる私。
私:「捨てたとかいって!胃袋に捨てたんでしょ!胃袋に入れたのね!吐け!吐け!」
 ニヤっと笑うタナベ君に、さらにキレた私は、
私:「溶けてるわけないでしょ?勘弁してよ!!まだ三本しか食べてないのに!!!信じらんない!!!!」
と半狂乱になってしまう。
 そんな私に『勝った』というような表情なタナベ君。
タナベ氏:「溶けてたんだもん。しょうがないじゃん」
私:(怒)

 書いていて、本当に低レベルな会話だなぁと思ったんですが、
この時マジで私は殺意を覚えたんです。
 この盗人、タナベ氏に。

 おもむろに私は冷蔵庫をゆっくりと明け、ニッコリと微笑む。
 冷蔵庫の中には、以前作っておいた温泉卵が大人しく陳列されている。

 そうそう。素朴な疑問なんですが、温泉卵と生卵ってどっちが正味期限長いのかしら?
 よくわからないけど、この温泉卵はそろそろ切れているだろーなぁと思ってみたりした。ここで試してみたいと思っちゃったりして★

 それからこのプチトマト。
 あまりのうれっぷりに、ブニブニしてる…。
 そうだこれもサラダに混ぜてあげましょう。

 …と言うわけで、正味期限の危ない卵とプチトマトは、我らが食卓へと並べられたわけです。

「いっただっきま〜すッ」
 何も知らないタナベ君。
「あれ〜?フカミんの温泉卵は?」
「一個しかないから早いもんがち!」
 そう言ってまっ先にお皿に手をのばすと、いじ汚いタナベ君は片方の手で私の手を押さえつけ(マジです!)我れ先にと温泉卵をひと飲みした。
 そして満面の笑みで勝利の笑みを浮かべている。

 クッ。
 と下を向きここで笑いを堪える。
 この姿が悔しそうにうつったのか、タナベ君はエラク御満悦。
 サラダもバクバク平らげていく。

 こうして本日の戦いは終了。
 タナベ君は無事トイレに駆け込み、ウンウンと暫く出てきませんでした。
「あれ〜?大丈夫〜?」なんて言っている私は、腹を抱えて笑いたいのを必死にこらえていた。

 タナベ君、食べ物の恨みはおそろしくってよ★

 でもこの後、私は暫くオシッコを我慢するハメになりしょんぼりでした。
 ……うぬぬ。この勝負引き分けか!?

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