プロのお仕事って沢山あるけれど、本屋さんもプロの仕事だと思う。
 ただ本屋さんはその中でも特に、プロとそうでない人の差が激しい。
 プロかそうじゃないかわかるのはブックカバーのかけ方だ。
「カバーおかけしますか?」
「お願いします」
 と言う会話の後、笑顔だった店員さんは、急に職人の顔になる。
 そして仕立てのよい服を手にするような、丁寧さで本に合うサイズの紙を即座に選び、本を傷つけないようにすっと折り目をつけていく。
 一番好きなカバーのかけ方は、一度本とカバーをずし、カバーにそのお店のカバーをかけてくれる方法だ。
 これだと厚みのあるハードカバーの本でも、しっかりしていてはがれない。
 店員さんの手から、のりをきかせたワイシャツのようなピシッと正装した本を手渡されると、本に対する愛着着のような物を感じて、何だかとても嬉しくなる。

  職人にカバーしてもらった本を手に店を出る時、私背筋も自然と伸び、軽やかな足取りで店を出るのである。

 ありがとう! 本屋さん! また来るよ!!

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