彼氏に毒を盛る女

2004年10月27日 恋愛
 おいおい、物騒なタイトルだなぁ…。
 と思われるかと思いますが、御安心ください。
 事実なので。(ニッコリ)。

 彼氏と言うのはレコーディングエンジニアさんをしているタナベ君のこと。
 タナベ君と私は、食べ物を巡ってそれはそれは凄まじい戦いを繰り広げているのでございます。
 きっと前世はお互い貧乏な農民で、飢え死にした過去でもあるのかと言うほど、食べ物に対して見事な執着っぷり!!
 やっぱり彼氏とは食べ物の趣味が合った方がいいなぁと
思ったんだけど、この人と付き合ったら、『好きな食べ物を盗られる!』って感じでカナリ緊迫した食卓は戦場と化しています。
「ちょっと!そっちの方が量が多いんじゃないの?」
「食べ過ぎじゃない?」
 みたいなセコイ会話を本気でしている私達。
 でも互いの皿の中身と、箸の行く先を獲物を狙うネコのような目でジッと追い続けているのでございます。

私:「ちょっと〜!!あたしの辻利の抹茶アイスは!?」
タナベ氏:「あー。溶けてたから捨てといた」
 その言葉に絶叫して、胸ぐらにつかみかかる私。
私:「捨てたとかいって!胃袋に捨てたんでしょ!胃袋に入れたのね!吐け!吐け!」
 ニヤっと笑うタナベ君に、さらにキレた私は、
私:「溶けてるわけないでしょ?勘弁してよ!!まだ三本しか食べてないのに!!!信じらんない!!!!」
と半狂乱になってしまう。
 そんな私に『勝った』というような表情なタナベ君。
タナベ氏:「溶けてたんだもん。しょうがないじゃん」
私:(怒)

 書いていて、本当に低レベルな会話だなぁと思ったんですが、
この時マジで私は殺意を覚えたんです。
 この盗人、タナベ氏に。

 おもむろに私は冷蔵庫をゆっくりと明け、ニッコリと微笑む。
 冷蔵庫の中には、以前作っておいた温泉卵が大人しく陳列されている。

 そうそう。素朴な疑問なんですが、温泉卵と生卵ってどっちが正味期限長いのかしら?
 よくわからないけど、この温泉卵はそろそろ切れているだろーなぁと思ってみたりした。ここで試してみたいと思っちゃったりして★

 それからこのプチトマト。
 あまりのうれっぷりに、ブニブニしてる…。
 そうだこれもサラダに混ぜてあげましょう。

 …と言うわけで、正味期限の危ない卵とプチトマトは、我らが食卓へと並べられたわけです。

「いっただっきま〜すッ」
 何も知らないタナベ君。
「あれ〜?フカミんの温泉卵は?」
「一個しかないから早いもんがち!」
 そう言ってまっ先にお皿に手をのばすと、いじ汚いタナベ君は片方の手で私の手を押さえつけ(マジです!)我れ先にと温泉卵をひと飲みした。
 そして満面の笑みで勝利の笑みを浮かべている。

 クッ。
 と下を向きここで笑いを堪える。
 この姿が悔しそうにうつったのか、タナベ君はエラク御満悦。
 サラダもバクバク平らげていく。

 こうして本日の戦いは終了。
 タナベ君は無事トイレに駆け込み、ウンウンと暫く出てきませんでした。
「あれ〜?大丈夫〜?」なんて言っている私は、腹を抱えて笑いたいのを必死にこらえていた。

 タナベ君、食べ物の恨みはおそろしくってよ★

 でもこの後、私は暫くオシッコを我慢するハメになりしょんぼりでした。
 ……うぬぬ。この勝負引き分けか!?
「なんかさ。こうやっていると小学校の林間学校みたいじゃない?」
 名案が思いついた!とばかりに告げる私の台詞に、友人のナオ君はガクッとため息を着きつつ、
「そー言えばこれと同じ気分味わったことあるわ」
とシミジミと呟いた。
 彼がどんな表情でそう言ったのか真っ暗な部屋では皆目見当もつかない。

「なになに?」
 うつぶせで布団に入っていたが、くるりとナオ君の方へ向き直り、興味津々とばかりに瞳を輝かす。
「お前と付き合う〜?って雰囲気でさ。俺の家で初めて一緒に飯作った時だよ」
「ああ。鍋か。確かキムチ鍋作った時だっけ?」
「バカ。キムチ鍋は俺が作ったんだろ。お前何もやってないじゃん」
 何年前だよ。もー忘れたよ、と口をとがらせてみるが、やっぱり真っ暗なのでナオにはこの抗議は通用しない。
「パスタだよ、パスタ。で一緒の台所に立ってさ。お前こう言ったんだよ、『ねー、なんかさ。こうやっていると小学校の調理実習みたいじゃない?』って」
「あはは。調理実習が林間学校。ちゃんと繋がってんじゃん」
「そん時はせめて新婚さんとか言えないの?って言った気がする。今後あれは色気ないからやめた方がいいじゃない?」
「私に色気求めてもしゃーないじゃろ」
「忠告だよ。友達としてちゅうこく」
「あいあい。肝に銘じておきやす」

 なーんて会話をしていました。ベットの中で。
 ナオ君は18歳の時の同じ学校の友達。
 科が違ったんだけど、ウチのクラスでつるんでいた奴らと友達で、一緒に遊ぶ事が結構あった。

 卒業してから疎遠になっていたんだけど、ひょっとした事からまた飯でも食うようになったんだけど、その後ほんの一ヶ月くらい付き合ったのだが、あまりのソリの合わなさに友達に戻ったのだ。
 友達としてたまに会うなら話もつきないし、気にならない事が、彼氏彼女の関係になるとどーにもこーにもチグハグになってしまう。
 それに付き合っていてちょっとでもラブっぽい雰囲気な会話になったりしても、お互いの恋愛遍歴を知り尽くしているので、今さらそーゆーラブフィルターが作動しないんですよね。お花が飛ばないって言うか…。手の打ちをお互い見せ過ぎていると言うか。
 それまで始めての人とエライ長く付き合ってたので、衝撃の事実にびっくりしてしまったのだ。

 この日は平日に飲んでいて終電がなくなったから、一緒に泊まったんですけど、凄く変な気分。
「あ。風呂隠れて脱いだ方がいい?」
「ぶっちゃけヤってんだから、今さら照れてもしゃーないっしょ」
 Hする気もないのに、恥じらったりとか何かそらぞらしくて寒いって言うか、、。
「だよなー」
 みたいな感じ?

 こーゆーのって凄く不思議ですよね。
 やっぱり性とか男とか女とか意識しない頃に近い気がする。
 もっと仲の良い友達もいる。でもまー最悪ヤっちゃっても平気かなとは思えない。
 無意識の中で男女の攻防と言うか、意識が働くからなぁ。
 ここまでデーンと楽な気持ちでゴロゴロできないなと思いました。

 もし。きっとこの時、してたとしてもお互い風俗かカラオケでも行くよーな気持ちだと思うんですよね。。
 恋愛感情がないから気持ちが冷静って言うか。
 ただ楽しい事しようぜ!みたいな。
 男友達との距離の取り方って本当に難しい。

ああ。あと読み返してみたら、「ん?ナオ君が私のことを好きなように取れてしまうかもしれん。」と思ってみた。
 向こうに恋愛感情がないのは十分すぎるほど知っているので御心配ならさらず。
 男女間の友情は、行為の線引きがお互い同じなのが大事なのかも知れませんね。(そこが違うとうまくいかん)。
 

オマケ:これはタナベ君と付き合う前です★
ぎゃーーーーーーー!!
愛する日本酒『久保田』が大変な事に!!
最近ダイエットをせねば!って思って
日本酒を焼酎や泡盛に切り替えてはいたけど、
私はまだまだ現役の日本酒大好き娘。

特に新潟のお酒はキリっとした飲み口で、
新宿にある新潟の郷土料理屋さんに行くほど、大好きなのだ。

近々友人たちと『日本酒を救う会』と言う、日本酒たちを
自らの胃袋へと救出する会を開くことになった。
頑張って助けなきゃ!

でも新潟の地震は本当に心配。
酒蔵さんも大変かと思いますが、新潟のお酒の一ファンと
してずっと待ってます。。
「は〜。おまえはいいよなぁ。Fサイズだろ。俺なんか頑張ってもBだぜ。」
「何言ってんだよ。Fっつっても色々問題あるんだぞ。Bサイズくらいまでだと手頃な値段でかっこいい柄とかあるだろ。こっちのサイズなんて柄はとんでもないぞ。布だけでかくて、だせーんだよ。それで高いって詐欺じゃねぇ?」
「ださくてもいいよ。俺はサイズが大きく見える方がいい。はー。上げ底買おうかなぁ…」

 ってな会話を男にさせるのが私のささやかな夢だ。

 そう。私が王様になったら、うちの国では男の下着を女の子のブラジャーのように、きっちりと測定しなきゃつけられないような物にしたいのだ。
 だってずるいじゃん。
 そうしたら女の子に向かって「おまえ胸ちっせー。AかBだろ?」とか気安く言えなくなると思うんですよね。

 このパンツ制度が普及すると、今度は女の子の方が、
「あいつ絶対にBくらいなのにさー、上げ底してるよねぇ」
「つーか。上げ底してたよ。しかも。右よりらしく矯正パンツ」
「まじ?」
 みたいな会話ができますから。

 なんつーひどい女ぢゃ!とお怒りの殿方もいらっしゃるかと重いますが、ちっさな胸の女は、ずっとこのデリカシーのない言葉に耐えてきたんだから、いつか一矢報いたい。
 昔からこれを想像するとわくわくします★

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今週いっぱいで修羅場が終わる。。
早く寝たい。。ちょっと逃避気分の書き込みでございました。
 兄弟を憎しみのあまり、心の中で殺した事ってありませんか?
 私はあります。めちゃくちゃあります。(苦笑)
 たぶん人生で一番最初に殺意を覚えたのが、彼なのではと。
 周りでも子供の頃の兄弟喧嘩に包丁が出ると言う話(もちろん刺してはないけど)を、結構聞きましたので、家によって兄弟喧嘩は熾烈を極めるものなのでございます。

 勝手にあたしの本読んだ!から始まって、テレビリモコンの奪い合い。そこから殴り合いにまで発展するんだからなー。
 しかも体格差的に負けている私は、両親にチクって報復すると言う手に出たりと、、本当に色々あった気がします。

 この作品は兄弟の確執を書いた作品なんですが…やっぱり本場の17歳。身内へ向ける怒りとか感情が生々しくて、現在その戦いの最中の10代ならではの感覚だと思います。
 それで文章力も構成力も高く、読み物としても完成してるんだもん。
 兄弟のちょっと変質的なまでの戦いまた怖くて良かったり(笑)

 十代の頃の兄弟喧嘩の絶頂期の感覚を、今は綺麗さっぱり忘れちゃってたんだなぁと、本から伝わる知っていた生々しい感覚に思わず苦笑してしまいました。
 うちの弟の読ませたら、一番下の弟は、、
「ねーちゃん。なんか俺がいる」
 って言ってたし。

 乙一さんが好きな人にもお勧め。(せつない方じゃない話の) 17歳で史上最年少で文藝賞を取ったこの作品は、私的には綿矢りさの『蹴りたい背中』や金原ひとみの『蛇にピアス』より衝撃的でした。
「…まったく、あんたは俺のカラダが目当てな訳!?」
 仕事が終わって朝6時くらいにクタクタになって帰宅したタナベ君を待ちかまえ、シテシテ攻撃をしたら、呆れたようにまた言われちゃいました。
 これで『カラダが目当てなの!?』って台詞を吐かれたのって、付き合った男の人全員なんですけど…。
 これって女としていかがなもんなんでしょうか!?
 いちばん最初に付き合った人と旅行に行く!と言う事になった時、
「やっぱり旅行に行くならベタベタしたいし。絶対生理は避けなきゃ。つーか飲むかピルか」
って言った。するとお互い実家だった彼の言い分は、
「あのさ、せっかくの旅行って言うのはふたりでずっと一緒にいるのが大事な訳でしょ。するかしないはその次だよ」
「ばか!旅行行ってHできないなんて!!そんな旅行したくない!」
と言って思い切り呆れられました。(この人が初めてだったので、最初のHまでは怖くて一年かかったはずなのに、、オトナっておそろしい…)。
 普段でもデートは常にビデオ持ってホテルが良かった私に、

当時の彼:たまには映画とか行こうよ…
私:うんうん。Hしてから行こう

って言って絶句されてたし。
 …これって男女逆かね。

修羅場明けにタナベ君の家に行こうかなと電話した時のこと。
私:もしもし〜
タナベ君:なに…、、寝てたんだけど…
私:ごめんごめん。今日そっちに行こうと思ったんだけど、Hする元気ない?
タナベ君:……わからん。
私:じゃあいいや。また今度行くね。

がっちゃん。

 って言うだけの電話をしたんですが。それを聞いていた同僚や先輩にめちゃくちゃ説教されました。(苦笑)
 この会話を男女逆にして考えると、あたしが男だったらめちゃくちゃヒドい奴なのでは…。ぶるぶる。。

 別に体が目当てな訳じゃないけど。Hがないのが一番困るかな〜と思ったりする微妙な乙女心なのでした。
 右の乳房(小さいので房って言うとJAROに訴えられるか)にふたつ。
 うっすらと残るキスマーク。初めはピンク色でほんのり赤かったんですが、今じゃ、もうこれ以上治らない打ち身(青アザ)の痕みたい…。
 最近若い頃より格段に再生能力が落ちてるのが自分でもわかる。とにかく傷の治りが悪いのだ。
 だけど、だけどこれってカナリシャレになんないんすけど!
どうしてくれんのよ!

この蚊め!!
そうなんです。
二つをつけたふてぇ野郎(メスだけど)は、プゥ〜ンと飛び回った蚊さんなんです。
この蚊に食われたやり場のない怒りは誰にぶつけりゃいいの!?
やはり蚊がいた家の主・タナベ君じゃろか。
彼ん家にいた蚊なんだもん! 奴に怒りをぶつけるしかない!
とにかく彼に当たってみようと帰りを待つワタクシでありました。

・人を傷付け合い、許し合いながら愛を育てる(NHK:今夜は恋人気分)

・仕事をする、ということは、遊びと違うのだ。厳しくて当たり前なのかも知れ
ない。
自信をなくし、そしてまた違う形の自信を取り戻す。
そうやって進んでいくのかも知れない。(山本文緒;絶対泣かない)



などなど。
個人HPの『言葉の標本』に、採集していた言葉を新たに大量アップいたしました。
良かったら是非こちらの方にも遊びに来てくださいませ★

それから小説、マンガ、映画、歌、友人の言葉。などなど。
おススメの言葉とかあったら、掲示板、メールなんでも
かまいませんので教えて頂けると嬉しいです。

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http://www.geocities.jp/mindsister/CI9.htm

さて。仕事へ行ってきます!
日本で過去最高の天才マンガ家の一人・手塚治虫シェフが作った『鉄腕アトム』って伝説的なごちそうを、現代日本の超一流・浦沢直樹シェフが『鉄腕アトム・浦沢風』に大胆かつ繊細な料理方で味付けした料理なんだから、これを目の前にして興奮しない方がおかしい!って感じです。(笑)

先が見えないミステリー風にアレンジしているのが、浦沢シェフ風なのかな。あと『20世紀少年』みたいに「荒唐無稽」って普通なら片づけられちゃうようなことを、妙にリアリティを持たせてしまうところとか舌を巻きます。
期待を裏切らない本当に凄い作品で、文句ナシに『上手い』です。

ぶっちゃけ誰でも知っている『鉄腕アトム』って言う作品なだけに、きっと名前負けしちゃうと言うか…あの原作の世界に引きずられちゃって浦沢シェフの持ち味が出せないかもなぁ…って正直思っていました。
でもそんな心配して、浦沢先生、本当にゴメンナサイ!!

あえてアトムを脇キャラに持ってきているところとか面白いです。
あー!あたしマンガが好きで本当に良かった。
電車→ピストン運動→モザイク
=痴漢電車!

ノンノン。AVじゃございません。
ワクワクされた方ごめんなさい。

電車→モザイク→ピストン運動=酔っ払い。
今回は酔っ払いのおじ様のお話でした。

終電近くの電車に乗るとほろ酔い気分のサラリーマンさんが多い。
私が座席に座っていて、目の前でオジ様が電車の振動に身を任せて揺れている。そんなよくある光景なんですが、そんな時、いっっっっっっつも思っていたんだけど、なーんかフェラをねだられてるような、つーかしているような…微妙な気分になっちゃいます。
だって体を預けるように両手で手すりにつかまりユラユラユラユラ。
優雅に腰をSの字に回転させつつ、ピストン運動をされていらっしゃるその顔はまさに無心。気持ちが良くなるくらい飲まれたんでしょうね。その顔は恍惚の表情。(笑)
「あ〜、極楽、極楽」
ってヨダレをたらさんばかりの勢いじゃないですか!

思わず目をそらし、そんな事を考える私がヤバイのか!?
欲求不満か!? とバクバクして目を逸らしてしまいます。
今回も目のやり場に困ったので、おもむろにこのネタを携帯に打ち始めました。
すると!!
股間に赤黒いモザイクが!!
先生が教科書を読むような感じで、目の前にたてるように携帯を持つと、ちょーど股間の位置あたりに私の携帯がある感じになって、局部消しの役目を果たすんですなー。
しかも新しく変えた私の携帯は以前のモノよりビックサイズ!!
「まぁ、まぁ立派なモノをお持ちで…」とモザイク(携帯)を横に動かしモザイクをはずしたりして楽しみつつ、マジマジとおじさんの顔を見ちゃいました。

あ〜これが若くて可愛い男の子(モチロン!スーツね!)だったら良いのになぁ…。
「アンタさ。麦草峠って知ってる?」
 本人的にはそぅっと帰宅したつもりなのだが、ガサツな性格がたたって、猫のような忍び足にはほど遠い。
 私のたてた物音は深夜の闇に溶け込む事なく、二階に眠る両親の部屋まで届いてしまったようだ。
 ガチャリとドアの空く音にちらりと時計を見る。時間は朝の6時ちょい。
 目を凝らしても時間がかわるわけもなく、「やばいなー」と思ってみたりする。
 こっちも数日の会社に泊まり込みがたたって疲労困ぱいなんで、できればさっさとシャワーを浴びて2時間くらい仮眠したい。
 心配してくれるのはありがたいが、小言は御免被りたいのが本音である。
 母は眠い目をこすりながら、サイヤ人のように怒りのオーラを発しながら私の前に立った。
 そして先ほどの私のようにチラリと時計を眺めると、低い声で
「アンタさ。麦草峠って知ってる?」
と言葉を紡いだと言う訳だ。
「麦草峠?」
アホのように私は聞き返す。
「あんたの会社、現代の麦草峠だよ。ほら若い女の子が安い賃金で寝る間もなく働いたでしょ。あれだよ、あれ。そんでもってアンタ病気になるとポイよ」
 私は昔教科書にのっていた過酷な労働で働く娘たちの写真を思い出した。ちょっとおかしい。
「ほんとだ。あたし麦草峠で働いてるんだー」
 まぁ、それもありかな。
 でも私のまわりって野麦峠で働いてる人多いけどね。

 そう言えば以前会長が
「おい●●(局長)。電●に勤めてた××んトコの倅が過労死したそうだ。うちは大丈夫か?」
 と局長に聞いたところ、局長は満面の胸を張って、
「大丈夫です! 丈夫で頑丈なのを揃えてあります!」
と言ってたっけ。
 ははは。丈夫で頑丈が取り柄って…。
 100人乗っても大丈夫って言う稲葉の倉庫みたいなもんか?
 確かに面接で「体力には自信があります!」って言ったけど。

 そんな我が部は会社でも『女工哀史』と言われている。
 でも現在は自宅に帰らず寝袋で寝るようになったから、前よりは全然楽!
 さて。今回も修羅場に突入。死なないように頑張ります。
 と言う事で暫く更新が滞ります。…申し訳ございませんが、見捨てないで頂けると嬉しいです。ごめんなさい…。
面白い遊びをしていました。
自分の名前や知り合いの名前を片っ端からYahooで検索してみた。
友人と同性同名のエライ(?)人を見つけてみると、何だか、同じ名前でもこんな人生あるんじゃなーってちょっと関心したり。

また本当に本人に行き着いてしまったりもしてビックリした。
友達や彼氏などなど。
しかも友達は昔のバンド時代の写真があったりで、
「髪長かっただねぇー、ひっひっひ」とからかってみたりした。

ちなみに私の名前でエライ人は誰もいない…私がなるしかない!?

ぎゃー……4時だ……。おやすみなさいませ。
「私の乳には呪いがかかっているんだよ。好きでもないのに触ると向こう3年は彼女できないんだって。アンタこの年で今から3年はキツイよ。覚悟ある?ないでしょ、困るでしょ? 触らない方がいいよ」
 以前知り合いと飲んだ時、相手がご乱心して私の乳に触ろうとしたので、そう言って食い止めた事がある。(なんつー色気のない言い訳なんだって話もありますが…)
 
 たま〜に自分でも対処できないようなイレギュラーな事態が起きると、口が勝手に動きません?

 昔、大晦日から黒夢のオールナイトライブに行き、酒をかっくらった私たちは大変ご機嫌でありました。
 そこで酔って気が大きくなった私達は、今日来れなかった悪友に『あけましておめでと〜!』と言うため、朝も異常に早い事も忘れて電話をかけた事にしたのだった。
 プルルルルルッル……………………。
 と鳴り続ける音は非常に長い。
 私のまわりにいる友達も首を傾げている。
 普通ならここでヤメておくんですが、酔ってるし意地になって電話を鳴らし続ける。
 ほどなくプツッ、と電話の切り替わる音がして、今度はちょっと遠い音でプルルルルルルル………とまたコール音が鳴り続けていたが、ほどなくして友人が出た。

「あ。ケロロ?」
「あらあら。ふかみちゃんじゃない」
 出たのは彼女の母親だった。私はちょっと予想していなかったので、動揺する。
 そっか。途中でプツっと言ったのは、家電に転送されたからだ。
 自分のマヌケさに舌打ちしたくなる。
「おばさま。あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致しますね」
「ああ、あけましておめでとう」
 いつも闊達なケロロの母親の声が、今日はなんだか怪訝な物言いに変わっている。
 ん?なんでだ??
「どうしたの?ふかみちゃん。うちのケロロと初詣に行ってんでしょ?」
 ケロロと初詣!? げ………。ヤバイ………。行ってない!!!!
 つーか知らない!!
 酔いもふっ飛び、どっと汗が吹き出す。

 どうやらケロロは、彼氏とコッソリお泊まりをし、初詣へ行くために私の名前を使っていたらしい。
 ギャアアアアア!!!!!!! 頼むから先に言ってくれ〜!!
 めちゃくちゃ動揺して本体の私は大パニック。
 するとスルスルと勝手に口が動きだした。
「あ。そうなんですよ。ケロロとお寺ではぐれちゃって…。携帯に電話しても出ないからお家にお電話あったかと思ったんですけど…」
「ああ、そうなの。ケロロからは電話ないわよ」
 ケロロ・ママの声が明らかにほっとする。
「そうですか…。わかりました。もうちょっと探してみますね」
 そう言ってピっと携帯を切った。
 び……びびったああああああ!!! ありがとう自分!
 その後ケロロと無事連絡が取れ、ケロロは待ち構えていた母親に、
「もー大変だったよ。凄い人でふかみとはぐれた」
とぶすくれたらしい。
「あー。ふかみちゃんが心配そうに電話してきたわよ」
 なーんて、何事もなかったかのように会話は続き、無事乗り切ったようだった。

 最近は口が勝手に動くって事がなくなってしまったけど、あの感覚は、誰かが自分に乗り移っているような…『寄生獣』で顎のジョーに乗り移られたような感覚なのかな。

あ〜…完全に仕事から逃避しようとしてるよ……。ラフが切れないし……ネタも浮かばないんだもん……。
さてちょっとだけマンガでも読もうかな………。。
 一日中人が誰かしらいるからだろうか。
 チの職場ではユーレイさんの目撃情報が多い。

 私が見たのは3階。深夜の3時も軽くまわった時間ではあったが、作家さんがいらしていたので、私は私電話をするべく一階下のフロアへと降りたのだ。

 3階は資材やら営業やらがいるフロアなので、夜中の3時過ぎともなれば、さすがにドアには鍵がかかり誰もいない。 
 よっこいせと鍵を開け、手探りで電気のスイッチを入れる。
昼間は全く聞こえないのにパチン。ぶぅぅんんと電気の付く音がやけに響く。
 そこで電話をしていた時に、給湯室で人が動く気配を感じた事がある。何となく人影がチラチラ見えるのだが、ハッキリとはわからない。
「あっれ〜?誰か残ってたのかな?」
と連日の徹夜でハイテンションになった頭で考えるが、サーっと背筋が寒くなる。
 自分で鍵を明けてこのフロアに入ったのだ。誰もいるはずがない。
 衝動的に逃げ出したくなるが、電話の相手はお仕事相手。
 ユーレイさんの襲撃にあった訳でもないのに、そう簡単に逃げられない…。なんて経験を去年した。

 まぁユーレイさんは子供の頃に実家(この時は両親&私の夢枕におばあちゃんが立った。話の内容は3人とも一緒だった。不思議。弟は会えなくて残念がってたけどね)で会ったのと、 弟と旅館のトイレで遭遇した事があったので、そこまで驚かずにすんだ。まぁこの時は原稿がちゃんと進んでるか進んでないかの方がよっぽどオソロシかったので…。

 4Fでもイス3つを並べて仮眠を取っていると、側を歩く気配がしたと言う体験談や、昔5Fにはお札が貼ってあったらしいとか、別ビルでは猫の手も借りたい位忙しい時に現れる、何も手伝ってくれないユーレイさんの話とか(コピー取りか校正くらい手伝って欲しいと彼女は言っていた。全くだ。)まぁ噂は耐えないのだ。

 現在、ユーレイスポットと噂のあるフロアへ移動して半年になる。
 以前までは資料の本を取りに行くだけでも寒気がしたのに、今 は全く5ユーレイさんの気配がない。
 ギャーギャーうるさい女性が30名乱入して来たのだ。
 職場のユーレイさんも、騒音に耐えかねてお引っ越しをしたようだ…。
 やはり生身の人間の方が怖いって事なのかな。
彼氏の家でコッソリしている事。結構ある。
例えば、この日記。
いくら彼が己の体験を赤裸裸に書いていらっしゃる、みうらじゅんフリークであろうとも、「消去しろ!」と怒られる事だろう。
(書いちゃダメ!と常々言われているので…。ごめんね、タナベ君)。
なのでこの日記を打ちながら全神経を尖らせている。
タナベ君はお仕事柄超不規則でいらっしゃるので、本当にいつ帰ってくるか見当がつかない。だから今もアパートの階段を上る彼の足音を聞き逃さないようにしているのだ。

日記の他に彼の家でコッソリしている事はなんだろう?
彼氏に見られたくない事は、風呂場で無駄毛の処理とか。お風呂場でパンツの洗濯とか、かかとを軽石でガシガシこすっている姿とか…。(たまにガラっと風呂を明けられて一緒に入ってこようとされると、パソコンのようにフリーズする)。
あと映画でちょっとエッチなシーンに彼が帰ってくるとアワアワと急いでテレビを消してそしらぬふりをしている。
男友達にメールをしているのも、メッセで話しているのも内容のにかかわらず見つかったらマズイよね。忘れっぽいので、見たら即履歴は消去しなくっちゃ。
彼的には、私が部屋を真っ暗にして稲川淳二のビデオを見ていた時に、
「ぎゃー!俺の家でコッソリやめて!霊が来るから!」
と怒られたけど。いいじゃんねぇ。

タナベ君の家には、まだ友達だった頃から(なーんてかわいく言ってもつきあう前にエッチはしちゃったんだが…)遊びに行っているのだが、昔はエロサイトの履歴がガンガンあったのに最近は奇麗に消されているところがちょっとさみしい。

彼女の居ぬ間にコッソリと…。
彼氏彼女の関係になると見えない部分もでてきますよね。
サンクス、ファミマ、ミニストップ…色々あるけれど、私はampmのお弁当が大好き。
 断じて会社に一番近いapでいいわと、妥協しているつもりはないのであーる。

入稿が近付くギリギリの忙しい頃は、銭湯にせっせと通い(女の子だもン!身ぎれいにしなくっちゃ★)、会社で寝袋生活をしている。
 その時期のカナリの食事はココのapに頼っている。
「あらあらもう忙しい時期なのねぇ…」
 とお店のおばちゃんに声をかけらえるくらいには通っているらしい。(笑)

 あまりの頻度にふと思う。私の体は多分両手分くらいはゆうにapのお弁当によって構成されているのだろう。
 そして名前も知らない人たちと、ここの弁当で繋がっているのかも知れない。それって何だか不思議な縁だ。

 前までは食い意地だけで「誰かとご飯を食べる事って楽しい!」って考えていたけれど、今は人とご飯を作って食べるって作業が、途方もなく大事な事のような気がしてくる。
 特に一番一緒にご飯を食べる彼氏なんか凄い事になっちゃうよ。
 だって彼の体があたしと同じの物で作られていくから。
 沢山「美味しいね」って言い合いながら同じ物を口するあたしたちは、きっとそんな目に見えない絆で繋がっていくんじゃないかな。それは凄くエネルギッシュで神秘的じゃございません? 

 同じシャンプーの匂いより、これってもっとすんごい絆なような気がするのです…なーんて書いたらまた「怖い」って言われちゃうのかも知れないけどね。
 いいのさ、女は怖いのさ。ガオー!!
「ねー、男の人ってオナニーにテッシュ何枚使うの?」
 中学高校時代はずっと女子校だったので、同世代の男子と話す機会が全くなかった。(そして恐ろしい事に、バンドの追っかけをしていた私が中学&高校時代にちょこっと話していた親兄弟以外の男の人たちは、ラルクのスタッフさんやメンバー様だった…)と言う特殊な環境だったもんで、ずっとずっと気になっていたのだ。

 明らかに目の前で引きつり能面のような顔で固まっているのは、出会って数日の新しいクラスメイトたち。
 オイオイ、自分たちから「ふかみちゃん、6年間女子校だったんだって? へー、男に免疫ないんだ。俺達になんでも聞いてよ」って言ったくせに。何固まってるんだよ!根性ねぇな!(怒)

 とにかく早く答えを聞きたいと、あたしは言葉を矢継ぎ早に続けた。
「私が読んでいた本によると若い男の子は一晩でテッシュをひと箱使うってあったよ。エッチも一晩で6回。シーツがドロドロだってあった」
「え…ひと箱?ろ、6回!?」
「ば…ばかッ!ありえないって!」
「だよな! だよな!! 俺がおかしいんじゃないよな!?」
「つーかお前さ、一体なんの本読んでるんだよ!? こえーよ!
 
 何だかちょっとお兄さんぶって目の前に座っていた奴等が、突然オリから放たれたサルのようにギャーギャー騒ぎだす。

 エロトークって一瞬にして仲が決別するか、ググッと仲良くなるか白黒ハッキリするところがいいなと幼い私は新発見をしたものだ。
「うっさいな〜。いいじゃん。さっさと教えてよ」
 こっちもさっきまで丁寧語だったくせに、強気になってタメ口をはたく。
 ざっと私をハブにして、コソコソと秘密会議を始めるオトコの子たち。
 誰かの言葉に大仰なほど体を反らせて反応したり、固い握手なんかを交わしながら激しく盛り上がっている。 
 
 教室の片隅でエロ本に群がる中学生ってこんな感じなのかしら? と色々想像して微笑ましくなった。
 何より専門学校に入って一週間。男の子同士もさっきまでよそよそしかったのに、イッキに仲良くなってるんじゃないか?…などとノンキに観察しつつ、人生初の飲み会(クラスの親睦会?)でゴクゴクとサワーを飲んで返答を待った。(この頃はまだ自分の酒量がわからずサワーだったわ…)。

「先生!答えが出ました!」
 勇気のある代表が思いきって手を上げる。
「はい!里中君!」
「平均3枚から6枚です」

 里中君の答えに、誇らし気に頷く残りの数名。
「はいはい!平均ってどーゆー事でしょうか?」
 別の奴がパっと手をあげる。
「溜まってる時と溜まってない時の違いであります!」
 ギャハハと言う笑い声や、「よく言った!」と歓声が上がる。
「では。平均3〜6枚で間違いありませんね」
「はい。だいたいそんなもんです」


 …てな具合でふかみ教授のレポートが出来上がった。

 成人男子が一回のオナニーで使うテッシュの量は平均3枚〜6枚。溜まっている時といない時で異なる。

 この時から私の未知なる探究の旅が始まったのでございます。

 そして男の子のひとりHについての研究論は更なる調査の結果、俺流・オナニーの仕方だの、AVを見つつ抜く方法などを解明し、飛躍的な広がりを見せ発展していくのだった。(笑)

 そして探究を続けていくと腹を割って話せる男友達はできても、彼氏はできないと言う衝撃の事実を知ったのはもう少し先の出来事でございました…。
三日前にここのサイトに越してきた深海です。
携帯でもパソコンでも説明書読まない困ったちゃんなので、
相変わらず右も左もわかりません。(苦笑)

みんなどうやってお友達増やしているんじゃろ?
なんだか賑わう公園(人様の素晴らしいサイト)をコッソリ
遠くで見つつ、いつか公園デビューを狙うママさんのような気持ちになりました。
いや。団地デビューか!?
 そりゃパーキングエリアのカレーですよ。
 期待しちゃダメなのはわかっていますよ。

 でもインド人がキーマカレーをよそったり、ナンを焼いている姿を見たら『うまいかも…!!』って心臓バクバクしません!?
 頭の悪い私たちはバクバクしちゃいました。(汗)

友人A:「すげー!インド人だ!インド人のカレーだ!」←29歳オトコ
私:「ぎょほー!!本場のカレーだ!異国の味だ!」←26歳オンナ
友人B:「キタッ!ナンもある!でかッ」←30歳オトコ
私:「きゃいぃぃぃ!!すっっげー!」」
友人A:「シュリンク!キーマ!チキンにナン!」
私:「いっとく?いっとく?」

 ふおおおと富士急に行く前に異様な盛り上がりを見せる大人3人
 それを生暖かい目で見守るまわりの人達。(しかもまだ休み中の若い子が多い)。
 我関せずとマイペースにおソバを購入しているのは、中学時代からの友人・都ちゃん。(彼女が我らのストッパー)。

 我先にとカウンターに並び、ほどなく私の前に並んでいた友人のカレーを見ていると非常に嫌な予感がした。
 給食のトレイのような銀の器にチョロっと注がれるチキンのなんと小さい事か。
 そしてルーの色が…なんか美味しいカレーの物と違う気がする。
 自慢じゃないが私の野生の勘はカナリ鋭い。
『逃げよう。ドタキャンしよう。仲間を裏切ろう』。
 即座に決心してそっと列から離れようとするが、前に並びつつ私の動向を伺うのは、本日の運転手兼車の保持者。
 裏切り者には死を!と言う目でこっちを見ている。
 この人達の場合、冗談ではなくパーキングに放置されるかも知れない。(ああ…食べ物の恨みは恐ろしい)。
 トンズラは断念して、おとなしく800円払ってキーマ&シュリンクカレーをオーダーした。

一同:「いっただきまーす」
 パクっとスプーンを口に突っ込むと、私の中で下落中のインドカレー株は大暴落した。
友人A,B:「……。」
私:「うええん(泣)」

 私は泣きそうな声を出す。そして自分より悲惨な奴がいないかと、お互いの皿に盛られている別ルーの取り替えっこが始まった。
友人A:「うぬぬ…ふかみんのキーマはギリギリいけるよ。オイラが一番ヒドイ」
私:「イケるって言っても…レトルトカレー的にね」

 大人しくお蕎麦を頼んでいた別の友人の皿を恨みがましくみつめる。
 パーキングですもの…蕎麦が妥当ですわよね…。

「………うわああん(泣)ソバにすれば良かった!いいな〜。都っち!」
「ソバ!SO BA!!」

 バンバンと机を叩き友人Aと駄々をこね、お蕎麦を頼んだ都ちゃんを困らせる。
「あのさぁ…パーキングの御飯だよ。どこまで期待してたの? よくそこまでガッカリできるね」
 カレーを黙々と食べていた友人Bが呆れたように言う。
友人A:「だって!インド人が作ってたんだもん!もしかしたら異国に行けるかな…って期待するじゃん!」
私:「はっ。あのインド人がイラン人ならどう?『ワタシ、イラン人ノ○○デス。一生懸命インドカリー作リマス』とか書いた名札付けてんの!そしたらこんなにガッカリしなかったのかも」
友人B:「なるほど。イラン人の作るインド風カリー
か」
私:「それはそれで気にならない?」
友人A:「気になる!まずくても微笑ましい!イイネッ!」
私:「でしょ!気になるでしょ!? イラン人のインドカレーが食べたい!」


 たかがカレー。されどカレー。
 富士急ハイランドにつく前に異常な盛り上がりを見せたランチタイムのできごとでございました。
 仕事で飲み会に参加できない彼氏のタナベ君を残し、タナベ君の会社の先輩達と、ヘベレケになるまで飲んだくれたお話は、先ほど個人のhpに書かせて頂いた。(気になる人はhP→日常の呟き→※魔法のお薬を参照してね★)

 これは後日談。
 更なる悲劇というか修羅場を生んだ『かたくり粉爆弾事件』のお話だ。

 既に記憶を失い、私の中学時代からの友達に手を引かれ(覚えてないが…)、歩いて帰れる距離にある、タナベ君宅に向かった。

友人と別れた後は、
「私は自由じゃー!」
 とハイテンションな私は野生の血が目覚め、靴を脱ぎ、裸足で家まで走り始めた。(酔うとたまにやるので、ここまではあまり驚かない)。
 ちょっと歩いて酔いが冷めた事で、記憶はうろ覚えのレベルまで戻ったのだが、
「一人運動会の始まり〜」
と、全力疾走をしたりケンケンしたり(ウサギ飛びはもしかしたら、したのかも知れない。)
「なぜ泥酔してそんな事を!」と言うような事をしながら、タナベ氏宅まで辿りついた。
   小道に入り、舗装されていない砂利道を少し入ると、通い慣れたタナベ氏のアパートになる。

 モチロン裸足のままなので、石が足に刺さってチクチクしたが、そのままムキになって部屋まで辿りついた。

 ガチャガチャと鍵を開け、まだ主の不在な家へ転がり込む。
 ガシャンと言う何かが倒れる豪快な音。
 一面の雪世界。
「うわー、雪だああ」
 と私は楽しくなってしまって、突然部屋に舞い散った雪をきゅっきゅと踏み歩いた。
 そしてそれに飽きると、夜中の3時頃だろうがお構いなしに、ジャカジャカとシャワーを浴び、素っ裸のまま、また一面に広がる雪景色に、破裂したようにケラケラと笑い転げ、
「雪だ〜。わーい、わーい」
 と、更に床に散らばる雪を濡れたままの踏み荒らした。
 そして暑いのでそのまま寝室に行き、………暗転。
………。
………。
………。

 朝、ぐわんぐわんという物凄い頭痛と共に目が覚めると、素っ裸のままだった。(素っ裸も何度かあるが、人の家はまだない…)。
「うぎゃー!ここはどこだ?」
 あたりを見渡すと、背中を向けて屍のように眠るタナベ君が横にいた。

 ふぎゃー!! いつ帰ってきたんですか?
 そして既に遅刻ギリギリの時間なんですけど!
 全く覚えていない。つーか。私はタオルケットなんて掛けてたか? もしかして素っ裸な私にこれをかけてくれたのは、……タナベ君?
 さーっと本当に血の気が引く。
 二日酔いでヨタヨタと台所へ行くと、床がベタベタしている気がする。
 ん? と首を傾げつつも、流し場を見ると、怒りにまかせて投げつけたような雑巾が数枚転がっていた…。
 そして流し場に転がり中身を吐き出す醤油。
 そして中身が空になっている片栗粉の入れ物。
 ここで昨日の夜の出来事がおぼろげながら、蘇った。

 雪遊び。
 あれは片栗粉を撒き散らしたのですね…。
 今までカナリ酔って色々やったが、人様の家でここまで迷惑をかけた事はない。
 真っ青になった私は、弁解もできぬまま会社へ直行した。

 そしてその日、知り合ってから初めて私にマジ切れしたタナベ君に「出ていけ」と取り付く島がないほど、きっぱり追い出され、別れるか別れないかのド修羅場へと発展していくのだった…。

明け方クタクタになって仕事から帰ってきて、玄関を開けたら真夏なのに片栗粉の雪景色。
 疲れた体にムチ打って、ブチ切れながらもとにかくざっと雑巾がけをしたのだろう。
 後日談では玄関を開けて「嘘でしょ?」と思ったそうだ。
 そして裸の私を見て、何か事件でもあったと思ったらしい…。
 荒れ果てた我が家。
 裸のまま倒れて、ピクリとも動かない彼女。
 そりゃ事件か何かだと思いますよね……。

 どちからの心変わり。性格・性の不一致。生活時間のズレ。お金。将来へのビジョンの相違。
 別れる理由はだいたいこんなもんかしらと思っていました。…今までは。
 図々しくも、いっちょ前に世の中の健全な女性と一緒だろうと、思っていました。ごめんなさい…。
 今日から酒乱で別れるという選択肢も付け加えておきます。

 そして奇特にも許してくれた豪傑なタナベ君。
 この事件は私たちの中でタブーですが、本当は聞きたい事が沢山あります。
「玄関は開けっ放しでしたか?」
「シャワーはちゃんと止めてありましたか?」
そして。
「素っ裸で上を向いて寝てたのでしょうか?」
 私の知らない私の秘密。
  どうかタナベ君が棺桶の中まで持って行ってくれますように…。

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